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Carl Sagan
RES
2010-05-18
3年次編入で物理学1を受講している者です。
QUIZ「静止していることと速度がゼロであることの違いについて説明せよ。」の答えに疑問があります。
たとえば、黒板消しを鉛直上向きに投げたとき、速度ゼロの付近でも、黒板消しの位置座標は変化し続けるので、黒板消しは静止しない。
私の疑問は、近似ばかりの物理の世界で(たとえば、摩擦で、物体が運動を始める前後の時間境界は曖昧です)、静止について、それほど精度の良い議論をするのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
3年次編入で物理学1を受講している者です。
QUIZ「静止していることと速度がゼロであることの違いについて説明せよ。」の答えに疑問があります。
たとえば、黒板消しを鉛直上向きに投げたとき、速度ゼロの付近でも、黒板消しの位置座標は変化し続けるので、黒板消しは静止しない。
私の疑問は、近似ばかりの物理の世界で(たとえば、摩擦で、物体が運動を始める前後の時間境界は曖昧です)、静止について、それほど精度の良い議論をするのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
はぎわら
2010-05-22
Carl Saganさんへ
面白い質問をいただきました。
> 私の疑問は、近似ばかりの物理の世界で(たとえば、摩擦で、物体が運動を始める前後の時間境界は曖昧です)、静止について、それほど精度の良い議論をするのでしょうか?
何となく気持ちは察しますが、「静止」と「精度の良い議論」の言葉の意味をはっきりさせれば、自ずと解決する疑問だと思います。
科学的に「静止している」という表現がとられるということは、静止していると判断されるということです。実験事実に基づく場合は、ある時間をおいて観測したとき同じ位置に見えたと判断されたということです。その判断が、誤差のために間違っているということもあるでしょう。しかし、どうであれ、判断基準は「時間が経っても同じ位置にいるかどうか」なのであって、この判断基準自体に曖昧性はありません。
一方、「速度がゼロ」というのは、このような判断基準で論じることではないのです。時間に対する位置の変化率がゼロになる条件が満たされるならば、その時刻の速度はゼロであると判断するわけです。したがって、もし実験的に速度ゼロを判定するとなれば、時間をおいた観測は不適切('十分条件'しか分からない)であり、位置の時間変化をグラフにする、あるいは速度に比例して電圧を発生するセンサーを使う、などの方法をとらなければなりません。要は、速度は微分概念によって定義される量であって、微分を知らない人が把握することは無理であるということです。
運動方程式を解いて数学的に運動を解析するときには、速度ゼロでかつ加速度もゼロになる条件が満たされると、その後は静止状態になると判断されます。
なお、念のためつけ加えておくと、短い時間間隔の間に位置の変化が観測されなかったとき、その時間間隔の間は静止していた(必然的に速度もゼロ)と言うことはできます(誤差の考慮内でそのように判断するということです)。しかし、これは、その物体が常に静止しているという判断にはつながりません。その時間範囲を越えれば動き出すかも知れないからです。
Carl Saganさんへ
面白い質問をいただきました。
> 私の疑問は、近似ばかりの物理の世界で(たとえば、摩擦で、物体が運動を始める前後の時間境界は曖昧です)、静止について、それほど精度の良い議論をするのでしょうか?
何となく気持ちは察しますが、「静止」と「精度の良い議論」の言葉の意味をはっきりさせれば、自ずと解決する疑問だと思います。
科学的に「静止している」という表現がとられるということは、静止していると判断されるということです。実験事実に基づく場合は、ある時間をおいて観測したとき同じ位置に見えたと判断されたということです。その判断が、誤差のために間違っているということもあるでしょう。しかし、どうであれ、判断基準は「時間が経っても同じ位置にいるかどうか」なのであって、この判断基準自体に曖昧性はありません。
一方、「速度がゼロ」というのは、このような判断基準で論じることではないのです。時間に対する位置の変化率がゼロになる条件が満たされるならば、その時刻の速度はゼロであると判断するわけです。したがって、もし実験的に速度ゼロを判定するとなれば、時間をおいた観測は不適切('十分条件'しか分からない)であり、位置の時間変化をグラフにする、あるいは速度に比例して電圧を発生するセンサーを使う、などの方法をとらなければなりません。要は、速度は微分概念によって定義される量であって、微分を知らない人が把握することは無理であるということです。
運動方程式を解いて数学的に運動を解析するときには、速度ゼロでかつ加速度もゼロになる条件が満たされると、その後は静止状態になると判断されます。
なお、念のためつけ加えておくと、短い時間間隔の間に位置の変化が観測されなかったとき、その時間間隔の間は静止していた(必然的に速度もゼロ)と言うことはできます(誤差の考慮内でそのように判断するということです)。しかし、これは、その物体が常に静止しているという判断にはつながりません。その時間範囲を越えれば動き出すかも知れないからです。
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